―――ねぇルルーシュ?
―――なんだ?スザク。
―――桜の木の下には死体が埋ってるって知ってる?
―――死体が?
―――うん。死体の血を吸ってね。桜は赤く染まるんだって…
赤く
紅く
真っ赤に染まる花弁
それが地面を覆い尽くす様はまるで…
ザクッザクッザクッ
「まるで血溜まりみたいに見えるんだって」
ザクッザクッザクッ
「本当かなぁ?あの時君は”そんなの有り得るわけないだろう”って言ったけど」
ザクッザクッザクッ
「確かめてみなくちゃ分からないよね」
満開の桜の下、スザクはただ地面を掘り続けた。
スコップで黙々とただただ掘った。
根元にポッカリと口を空けた虚。
ひらひらと数枚花弁が虚へと吸い込まれていく。
「これだけ掘れば大丈夫かな?……よいしょっと!」
ドサッ
スザクは両手に力を込めて《ソレ》を虚へと投げ入れた。
その際に乱れてしまった《ソレ》の格好を少し直してやる。
バサッバサッバサッ
上から先程掘り起こした土をかけていく。
土は段々と《ソレ》を覆い隠していった。
完全に元の状態に戻して、スザクは満足そうに微笑んだ。
「楽しみだな。来年はどんな色の花を咲かせてくれるだろうね?」
桜は死体の血を吸って赤く染まるという。
でも《ソレ》に血はもうない。スザクが抜いてしまったから。
ならば、《ソレ》が持っていた一番鮮やかな色彩である
紫色の花が咲くんじゃないだろうか?
スザクはそんなことを考えて”ふふ”と楽しげに笑った。
「来年はここに見に来てみようかなぁ?」
そこには
きっと
綺麗な
紫の
花
が
FIN