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ギァスは木曜深夜放送視聴。 ネタバレへの配慮はほぼないです。 版権元とは一切関係ありません。 禁無断転載転用。禁オンラインブックマーク ルルーシュ受けメイン。 ルルーシュ至上主義者。
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誕生日:
1989/09/30
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自己紹介:
ルルーシュ総受け派のルルーシュ至上主義者です。
スザルル信仰者ですが、他も大好物。
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スザルルです。暗いです。ある意味死にネタですので苦手な方はご注意下さい。
登場人物はルルーシュ・スザク・ロイドですが、何故かロイドとルルーシュの会話がメイン(何故)


「ルルーシュ」

白い花に囲まれた君はどこまでも美しかった

「ルルーシュ」

真っ白な肌に真っ白な花

「ルルーシュ」

伏せられた目も血の気の失せた頬も

「ルルーシュ」

全てがただ美しくて夢のようだった

「ルルーシュ」

全て白くて儚い夢…もしこれが現実だとしても

「ルルーシュ」

僕は弱いから現実なんて認められない…認めたくない

「ルルーシュ…大丈夫」

心配しないで。僕が必ず君を………

 

「スザク」

もう俺に縋るな。もう俺のために傷つかないでくれ

「スザク」

これは俺の望みだったんだ

「スザク」

だから、もう俺から解放されてくれ

「スザク」

この身体はお前に温かさを与えてやれない

「スザク」

この声は届かない。この想いは伝わらない。この悲しみは癒されない

「スザク」

忘れて忘れて…忘れてくれ

「スザク」

そしてどうか…幸せに

 

 

「い~いのかぁい?スザク君?」

「はい。お願いしますロイドさん」

「こぉんなことしても…彼は喜ばないんじゃなぁい?」

「それでも、僕はこんな世界認めない。彼がいない世界なんて……認めない」

灰色の錬金術師は
白い騎士の願いを

叶えた

それが絶望の始まり
それが希望の始まり
全てはここで終わり
そしてここから始まった

 

 

無理矢理世界に呼び戻されて、最初に感じたのは絶望だった。
冷たい冷たい液体に満たされた筒に俺は容れられていた。

「はぁい♪お目覚めかなぁ?」

「誰…だ?」

「おやぁ?声が出ないみたいだぁね?」

確かに俺はこの世界での生を終えたはずだ。
自分の身体から意識が抜け出たことを感じた
誰よりも愛しい者の手で逝けたはずなのに
何故俺はこんな冷たい場所にいる?

「聞きたいのはぁ…何故ぇ生き返ったのかでしょぉ?」

「ま…さか」

「ざ~んね~んで~したぁ!!そのまさかだよぉ!」

ケラケラと笑うこの男は禁忌を犯したのか。
死者を死の国より喚び戻してはならないその禁忌を。
しかし何故?この男が自ら望んでとは思えない。
ならば誰の頼みだ?誰が俺を喚び戻した?

「ロイドさん?彼の目が覚めたんですか?」

「そ~だよぉ?彼、声は出ないみたいだけどぉ」

スザク!!
まさか!まさかお前が!お前が俺を喚んだのか!?
何故!?何故こんなことを!?

「ああ。ルルーシュ。やっと会えたね」

やめろやめろやめろやめろ!!
やめてくれ!頼むからやめてくれ!!
俺を喚ぶな!何故喚んだ!何故!?
どうして眠らせてくれなかった!

「君が戻ってきてくれるなら、どんな禁忌を犯したって、人の道を外れたって構わないんだ」

「このっ…馬鹿が!」

俺の精一杯の言葉はコイツに全く届いていなかったのか
俺の願いも、想いも、何もコイツには届いていなかったのか
勝手な願いかもしれなかった。勝手な想いかもしれなかった
それでもコイツなら…スザクなら分かってくれると思ったのに

「でぇもさぁ?そぉんなに彼が欲しかったのぉ?自分の光を失ってまでぇ?」

「……え?」

「はい。例えこの目が何も映さなくなっても、欲しかったんです」

焦点の、合わない、瞳、が、俺、を
見な、いで、見な、いで、俺、を

「僕から離れるなんて、許さないよ。ルルーシュ」

これは…罰なのか。たくさんの命を踏み躙った俺に対する。
スザク。お前は俺に幸せな想いを抱えたまま死ぬなど許さないと言うのか。
何故?俺のことなど忘れて幸せになって欲しかったのに。

何故?

 

 

数日の内にルルーシュはガラスの筒から出ることが出来るようになった。
もちろん彼の肉体は一度死んでいるから、普通の人間と同じようになれるはずもなく
日に数時間は筒の中に戻って、冷たい液体の中での身体の調整が必要だったが。

「ねぇルルーシュ。今日はセシルさんがバラをくれたんだ。いい匂いだろう?」

「……そうだな」

相変わらずスザクの瞳は何も映さず
またルルーシュの喉から音が出ることもない。
感じるのは匂いとお互いの体温だけだった。

「あ、でもルルーシュは触っちゃダメだよ。棘で傷でもついたら大変だからね。」

ルルーシュの肉体は一度死んでいたから、再生機能がなかった。
故に外に出ることはできない――わずかな日焼けや怪我が致命傷となるからだ。
多少の怪我ならロイドが治してくれるが、それとてそう何度も繰り返せるわけではない
だからルルーシュは最初に目覚めた研究所の一室で
ただスザクと共に時を過ごしていた。他に何をするでもなく、緩やかに。

「………スザク」

「ねぇルルーシュ。君の声は出るようになるかな?僕は早くルルーシュの声が聞きたいな」

「…それは無理だよ。スザク。だってこれは代償なのだから」

黄泉から人を喚び戻した代償。禁忌の代償。
ルルーシュは自分を喚び戻すためにスザクの視力がどうして使われたのかは知らない。
ただ、スザクが光を失ったことも、ルルーシュの喉が音を発しなくなったことも
それらが全て『代償』だと分かっていた。

「出来れば早く出せるようになって欲しいな。じゃないと僕がルルーシュの声を忘れちゃいそうだよ」

「…スザク」

「あ、出せるようになったらちゃんと教えてね?嘘はダメだよ?」

「…スザク」

どれだけルルーシュが悲痛な叫びを発しても
どれだけルルーシュが苦痛の表情を浮かべても
スザクには分からない
スザクには伝わらない
ああ、なんてもどかしい距離だろう。
まるでランスロットのデヴァイザーとゼロであったときのように
お互いの想いは交わらないし、決して伝わらなかった。

「ス~ザク君」

「あ、ロイドさん。時間ですか?」

「そうだよぉ。彼借りてくねぇ?」

ルルーシュがこの世に在り続けるために必要なことだと知っているからか
スザクは素直にルルーシュをロイドに預けた。
彼は今この時間以外決してルルーシュを傍から離そうとしない。
見えない不安がそうさせているのか、それとも再度の喪失に怯えているのか

「ねぇ?君は分かっているんだろう?いつまでこぉんな馬鹿なこと…続ける気だぁい?」

「………スザクの気が済むまで、だ」

「そぉんな日は来なぁいよ?君も知ってるでしょぉ?」

スザクはルルーシュがこうして”存在して”いる限り
ずっとこの状態を続けようとするだろう。未来を視ることもせず。
ただこの怠惰な時間に身を任せていたいと願うだろう。
だが、それでは駄目なのだとルルーシュは知っていた。
自分は死者で、彼は生者。
ルルーシュの時間はあの時、あの場所で終わったのだ。
だから、いつか本当に終わらせるときが来る

「あと…どれくらい俺の身体は保つんだ?」

「さぁねぇ?せいぜい2週間ってとこじゃなぁい?」

『あと2週間』それがルルーシュに残された時間だった。
ロイドはそんなルルーシュの様子など気にも止めず
酷く楽しそうに、心底愉快そうに言った。

「でぇもさぁ?スザク君も酷なことするよねぇ?何せ指先から砂のように
崩れていくんだからさぁ?きっとすごぉく痛いだろうねぇ?すごぉく怖いだろうねぇ?
でも僕は嬉しいよぉ!君のその綺麗な顔が苦痛に歪む様はきっとすごぉく綺麗だろうからねぇ」

サラサラと砂のように崩れていくことが、ルルーシュに待ち受けている未来だった。
それは最初に目覚めたときから、ロイドに聞かされていた事実だった。
一度死んだ細胞に再生能力はない。そして、スザクは知らないことだが、
傷つかなくとも、細胞は日々壊れていく、本来ならばそれは新しい細胞へと
再生されていくのだが、ルルーシュにはそれがない。
つまり、壊れた細胞はそのまま死へと直結するのだ。

「僕にもさぁ。何ぁ故、砂みたいに崩れちゃうのかはねぇ分からないんだけどぉ」

「フンッ…生命の禁忌を犯す罰じゃないのか?」

「ん~科学者としてはぁ認めたくない理由だよねぇ」

ルルーシュはいつもの通り、ガラスで出来た無機質な筒へと入る。
その中に冷たい冷たい液体が満たされる。
その冷たさはまるで生きながら死んでいるルルーシュの体温のようだった。

「ねぇ?君たちはどぉして、そぉんなに求め合うのぉ?辛くなぁい?」

スザクは目が見えない。だから相手の姿を見ることはできず。
ルルーシュは声が出せない。だから相手に想いを伝えることはできず。
感じられるのはお互いの体温だけ、分かるのは相手の呼吸だけ
なのに何故求め合うのか?ロイドは心底不思議そうな声で問いかけた。

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