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ギァスは木曜深夜放送視聴。 ネタバレへの配慮はほぼないです。 版権元とは一切関係ありません。 禁無断転載転用。禁オンラインブックマーク ルルーシュ受けメイン。 ルルーシュ至上主義者。
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年齢:
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女性
誕生日:
1989/09/30
職業:
学生
自己紹介:
ルルーシュ総受け派のルルーシュ至上主義者です。
スザルル信仰者ですが、他も大好物。
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半パラレル物です。22話後捏造話で、ルルーシュが吸血鬼化してます
スザクも吸血鬼化します。(おい)流血表現・グロがダメな方は閲覧をご遠慮下さい。
勢いだけで書きました。もうホント申し訳ございません!(土下座)


※真祖に血を与えられると吸血鬼化します。
※ルルーシュに吸血鬼化する方法を教えたのはC.C.です。
※ギアスが進化して直接目を見る以外の制約が無くなっています。




今から約400年前、神聖ブリタニア帝国宮殿内、《太陽宮》と呼ばれていた
ブリタニアの繁栄を象徴するともいえる建物内でその惨劇は起こった。
それはある晴れた春の日の午後。あまりにも惨劇には似つかわしくない日のことだった。

「きゃぁあああ!!ユーフェミア様ぁ!!」

始まりを告げたのは一人の侍女の悲鳴だった。
彼女は幽閉されていたユーフェミア元第3皇女付きの侍女だった。
そしてその主人であるユーフェミアは突如として豹変した狂った姫だった。
それまで”慈愛の皇女”とまで呼ばれた優しい皇女はある日突然狂い。
そしてとある国の国民を皆殺しにしようとした。そしてその狂気の行いにより
本国の宮殿内の奥深くに幽閉されていた…否、されていたはずだった。

「あ…あ…ひぃ!!」

侍女は恐ろしさのあまり声も出ないようだった。当然のことだろう。
幽閉されていたはずのユーフェミアは彼女の目の前で息絶えていたのだから。
嬉しそうに笑った表情のまま、その首と胴体は繋がっていなかった。
辺りには夥しい量の血が散乱し、室内に血臭と死臭を撒き散らす。

「だ…誰っか!誰かぁああ!!助け…!」

立ち上がることも出来ず、侍女は半ば這いずるようにして助けを求めた。
しかし、その瞬間背中に焼け付くような痛みを覚えて侍女は恐る恐る
自らの背に手を触れる。そして、ヌルリとした感触にまたも悲鳴を上げた。
狂ったように叫び続ける侍女の頭上にフッと影が差した。

「全ては一度壊すべきなんだ。世界は崩壊し、そして再生する」

「あ…なた…は、ゼ……ロっ」

ベシャリと侍女は血溜まりの中に倒れこんだ。
その顔には苦痛と悲しみと無念さと…そして驚きが浮かんでいる。
世界最凶の反逆者、時代が望んだヒーロー、黒の救世主
様々な呼び名を持ち、黒の騎士団を率いて帝国に弓引く
顔を隠したテロリスト――《ゼロ》。彼はその決して外すことのなかった
仮面へと何の躊躇いもなく手を伸ばすと、ゆっくりと外す。

「そう俺は《ゼロ》そして真なる名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
神聖ブリタニア帝国第11皇子にして、第17皇位継承者。世界を壊す者」

現れたのは艶やかな黒髪、透き通るように真っ白な肌、
形のよい唇は僅かに弧を描き、強い意志の宿った高貴なる紫の右目が侍女を見つめる。
そして全体的に怜悧な印象の貌を裏切るように、爛々と赤く輝く異形の左目。
そこに渦巻くのは怒りと、憎しみと、狂気。一体何が彼をそこまで狂わせたのか。
最愛の妹に見せていた慈愛も甘さも欠片も瞳に浮かんでおらず
まるで深い深い闇の底のように暗い虚ろが続いていた。

「さぁ…《狂宴》を始めようか?」

ゼロが…否ルルーシュが一歩足を踏み出す毎に、ビチャリと血溜まりが不快な音を立てる。
飛び散った血は纏ったマントを赤黒く染め、ルルーシュは真っ赤に染まっていく。
そしてまた一歩踏み出すと同時に、骸が1つ、2つと増えていく。
どれもが無念を、後悔を、憎しみを、悲しみを、驚きを浮かべた顔のまま朽ちていく。
名も知らぬ末端の皇子が
名も知らぬ末端の皇女が
ブリタニアの魔女と呼ばれたコーネリア・リ・ブリタニアが
最も次期皇帝に近いと言われたシュナイゼル・エル・ブリタニアが
倒れていく、倒れていく、血溜まりに沈んでいく

そして―――

「来たか…ルルーシュ」

「お久しぶりです。皇帝陛下。今は亡きマリアンヌ皇妃が長子
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。地獄の底より戻ってまいりました」

コツリ、コツリと靴音が響く。
ルルーシュの身体はすでに誰のものとも分からない血で真っ赤に濡れていた。
その美しい貌にもわずかに血が付き、彼の美しさをより壮絶に見せている。
皇帝はゆっくりと近づいてくるルルーシュに怯えるでもなく、
ただ常と変わらない堂々とした姿で、玉座に座っていた。

「わしを…憎んでおるか?」

「誰よりも深く憎んでおります。陛下」

「わしを…恨んでおるか?」

「誰よりも強く恨んでおります。陛下」

ルルーシュの唇は弧を描いたまま、その瞳から狂気の色が消えることはない。
皇帝もまた一向に逃げようとはせず、ただ静かにルルーシュを見据えていた。
2人の距離があと一歩というところまで、近づく。

「わしを殺すか。数多の皇子皇女の中で誰よりもわしに似たお前が。
良かろうわしを殺せ。そして更なる進化を遂げるがいい!」

「死んで下さい陛下…否、父上。母上のために、私のために、ナナリーのために、
何より貴方を恨んで死んでいった者たちのために。これは進化などではないのですよ」

”ただの破壊です”

どこまでも美しくルルーシュはただただ微笑んでいた。
皇帝もまた一瞬たりとも怯むことなく、ただ満足そうに笑っている。
銃を握っていた右手にグッと力がかかり、引き金がゆっくりと引かれた。

ドンッ

銃声が一発謁見の間に響く。
今までピクリとも動かなかった皇帝の身体がズルリと傾いだ。
正確に打ち抜かれた心臓からドクドクと血が溢れ、真っ赤な絨毯を更に赤く染めていく。
それを確認し、ルルーシュが踵を返そうとしたその瞬間

「陛下!!」

バンッとけたたましい音を立てて扉が開かれる。
扉を開いた人物――スザクは真っ白な騎士服を血で真っ赤に染め
呆然とその場に立ち尽くしていた。ルルーシュはゆっくりと笑みを深めた。

「スザク…」

「ル……ルー…シュ?な…んで?」

ルルーシュの右手に握られた、一丁の銃。
胸から血を流し、事切れている皇帝。
彼が何をしたかは火を見るよりも明らかなことだった。

「なんで!?どうしてこんなこと!君が!!」

「どうして?分かっているんだろう?ああ…そうだ。お前にも罰を与えなくちゃな」

ルルーシュはまるで明日の天気のことでも話すように、気軽に言った。
未だ混乱の中にあるスザクとルルーシュの視線が交わる。ルルーシュの左目で赤い鳥が羽ばたいた。

《俺がいいと言うまでそこを動くな》

途端にスザクの身体はまるでそこに縫い留められてしまったかのように動かなくなる。
その様子を満足そうにルルーシュは見つめながら、スザクを抱きしめた。

「ル…ルーシュ?」

「なぁスザク。お前は俺とナナリーを裏切ったな。お前はブリタニアとユーフェミアを選んだ」

ビクリと僅かにスザクの身体が揺れる。だがしかし、そこから動くことは叶わない。
ルルーシュは更にスザクの耳元で囁くように言い募る。
その声音はどこまでも優しく響くというのに、何故かスザクは背筋が凍った。

「だが、俺もお前を裏切った。ユーフェミアを…ユフィを狂わせてしまった」

一瞬だけルルーシュの完璧な微笑みが消え、今にも泣き出しそうな歪んだものになる。
もっともそれはほんの一瞬の出来事であり、瞬きの間に元の完璧な微笑みに戻る。
ルルーシュは殊更ゆっくりゆっくりとスザクに告げた。

”だから、これは罰なんだ”

ズキリとスザクの左首筋に痛みが走る。そこから何か得体の知れないものが
流れ込んでくるような、侵食され蝕まれるような感覚にスザクは悲鳴を上げた。
だが、その身体は持ち主の意に反して一向に動こうとはしなかった。

《動け》

ルルーシュがスザクを抱きしめていた腕を解き、そう告げると
スザクの身体はまるで糸の切れた操り人形のようにガクンッと床に倒れこんだ。
咄嗟に起き上がろうと、力を込めるがそれは叶わず、痛みを感じた首筋を中心に
身体を焼き尽くすような熱がグルグルと血脈を巡り、スザクを侵食していく。

「ぐっ…がぁあ゛あ゛あ゛」

「スザク。俺を恨め憎め憎悪しろ。そして醜く生き延びて俺を殺しに来い。」

「る…るぅ…じゅ!!」

無力感に打ちひしがれながら、スザクは血に濡れた絨毯をグッと
握り締め、奥歯を砕かんばかりに強くギリギリと噛み締めた。
主であるユーフェミアを始めとして、宮殿内の人々を惨殺した
顔を隠したテロリスト《ゼロ》を殺して仇を討つことも
母を殺され、妹を殺され、そして親友にさえも裏切られたと嘆き
絶望に沈む友人《ルルーシュ》を闇から救うことも
何一つ出来ない自分に、ただ悔しさだけが募る。

「スザク、俺の手はとっくに血で汚れてるんだよ。それでも
向かって来るなら構わない。歓迎してやるさ。俺たちは友達だからな。」

”くくくっふははは!あはははっははは!!”

狂ったような笑い声を上げながら、ルルーシュは涙を流していた。
幸せな陽だまりはもう彼の目に映ってはいなかった。
どこまでも続く血塗れの道だけが、彼に用意された未来で、ルルーシュは
最後にスザクの額に軽く口づけると、蝙蝠へと姿を変え、その場を飛び立った。

 

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