なんとか頑張って書き上げました!!ぎ、ギリギリです;;(本当に危なかった;)
リクエスト小説第一弾!
CP:・シールルナナ←黒の騎士団 。
租界で買出し中の騎士団メンバーとバッタリ遭遇
ナナリーを邪魔者扱いした玉城をルルとC.C.が返り討ちにする。ゼロバレ必至。
指定:ギャグ
をお届けいたします!ち、ちゃんとリクエスト通りか不安が残るところですが;;
とりあえず、玉城が哀れでしょうがない話になっております。
本当に彼は弄り甲斐があってとっても楽しいです☆(ヲイ)
ゼロバレ後の騎士団の反応などについては、おまけとして後日UPいたします。
今回は、本編のみということでvv(何せ約束通り本日中にあげるために必死なので;)
ではでは、お待たせいたしました!
読んでやっても良いぜ☆というかたは以下をご覧下さいませvv
(突貫工事で仕上げたので、後日修正を入れる可能性があります。ご了承下さい;)
【夏の日の出来事~玉城の悪夢編~】←続かないけどね☆
夏――は当然のことながら暑い。そりゃもう茹だるようにという形容詞がつくくらい暑い。
元々ここエリア11は、温帯気候に属するといえど、夏は湿度が高くとてもではないが、
過ごし易いとは言えない場所である。むしろ白人種であるブリタニア人には相当キツイ。
昼間はトウキョウ租界でさえ、通行人の数が明らかに減る上に、仕方が無く外出している
人間たちも皆一様に日焼け止めクリームに始まり、サングラス、もしくは日傘、手袋…e.t.c.
直射日光対策には余念がない。否、対策無しで出歩けば、痛い結果が待っているのだ。
そんな地獄の状況に、アッシュフォード学園生徒会副会長ルルーシュ・ランペルージは
誰よりも何よりも大切にしている妹であるナナリー・ランペルージと、一応信用しては
いるが、誰よりも何よりも出て行って欲しいと切実に願っている居候のC.C.の3人で
買い物に来ていた。自身もサングラスと手袋で日光対策をしつつ、車椅子の妹にも
しっかりと日傘を差しながら、ルルーシュは心の内で盛大な舌打ちをかましていた。
(クソッ!こんな暑い場所にナナリーが来て、熱中症にでもなったらどうするんだ!?)
そういうわけで、彼はとてつもなく不機嫌だった。まさに妹命の彼に相応しい思考である。
ナナリーには慈愛100%の優しい笑みを向けながら、傍らに立つ共犯者に向かって
ルルーシュはあらん限りの恨みを込めて睨み付けた。尤もそれで効果があるなら、
彼だとて、ここまでの苦労はしていないことだろう。
「何だルルーシュ?そんなに不機嫌そうな顔をして。そんなに来たくなかったのか?」
常の囚人服ではなく、紺色のGパンに涼しげな水色のチュニック、更に変装のためか
茶色のキャスケットに黄緑色の髪を隠している。何とも少女らしい服装に身を包みながら、
されど浮かべる笑みは外見年齢にそぐわない何ともニヒルな物を作り上げ、
C.C.は不遜な態度でルルーシュを睨み返した。しかし、彼女のその言葉で
顔を歪めたのは向けられたルルーシュではなく、ナナリーだった。
「ごめんなさいお兄様…私が買い物に行きたい、なんて我が侭を言ったから……」
「我が侭なんかじゃないよ、ナナリー。お前だって年頃なんだ。お洒落をしたいと思うのは当然のことだよ」
ニッコリと笑みを浮かべれば、ナナリーはホッとしたように表情を緩める。
「なら、私も年頃の娘だ。お洒落をしたいと思っても当然だな?」
その様子に癒される間もあればこそ、すぐに入った横槍に
ルルーシュの機嫌はまたも急降下する。そんな遣り取りを繰り返しながらも
3人は順調に店を回っていった。その様はさながら仲の良い家族のようで、
全員が美男美女なのも相まってか、通行人に和やかな気持ちを与えていた。
さて、しかし流石に1時間も店を見て回れば喉も渇く、というわけで
一通り買い物も済ませた3人は、人気のない公園へと足を向けた。
幸い背の高い木々に囲まれた公園には休めるような木陰が沢山あり、
また誰もこんな時間にわざわざ外出などしないのだろう、人影は全くなかった。
「おい。ルルーシュ。飲み物を買って来い」
「っ!何で俺が!…お前が行けばいい話だろうが」
「私は金を持っていない。それに、こんなときは男が率先して行くものだろう?」
”そんなことも分からないのか”と言わんばかりにC.C.は不敵な笑みを浮かべる。
その一言に、ルルーシュはグッと押し黙った。彼は母マリアンヌが自分のヒーローだと
言い切るだけあって、かなりのフェミニストである。
『それが男の務め』と言われてまえば、彼に断る術はなかった。
「……分かった。ナナリーを頼んだぞ」
「分かっている。さっさと行って来い」
シッシッと犬でも追い払うかのような彼女の仕草に、ルルーシュの中で
再び怒りが湧き上がるが、不安そうなナナリーの表情にその気持ちもすぐに消えた。
これ以上ここで押し問答を繰り返しても、結局ナナリーが心配するだけだ。
それでも、1分ほどC.C.に言い聞かせてから、
ルルーシュは漸く飲み物を買いに近くのコンビニへと入っていった。
「全く…お前の兄は心配性過ぎるな」
「ふふ。それがお兄様ですから」
何せ妹の幸せのために、世界への反逆など企てる男だ。
これぐらいで当然なのかもしれない、と2人は笑いあった。
ふと、その時突風が吹き、C.C.が被っていた帽子が空へと舞い上がった。
「……ぁっ!」
「どうしたました?C.C.さん?」
「…風で、帽子が飛んでしまった」
彼女の小さな声を聞きとがめて、ナナリーは疑問の声をあげた。
C.C.は乱れてしまった緑色の髪を鬱陶しそうに払いながら、忌々しそうにそう答える。
帽子は車道まで飛ばされてしまっていた。もうあと少し風が吹けば、
もっと遠くまで飛ばされていってしまうだろう。
「C.C.さん。私は構いませんから。お帽子を取りに行かれて下さい」
「しかし…お前を1人にするとアイツが煩い」
「大丈夫ですよ。ほんの1,2分のことですし。私なら大丈夫ですから」
「……分かった。動くなよ。ナナリー」
ナナリーの車椅子を押して取りに行くことも出来たが、それでは時間がかかってしまう。
帽子は本当にもうあと少しで車に轢かれそうな位置にあった。
時間をかけていれば、C.C.気に入りの帽子は潰れて見るも無残な姿を晒すだろう。
C.C.はナナリーの言葉に甘えることにした。彼女はその判断を後悔するのだが、
今は一刻も早く車の脅威から帽子を救出することで、頭が一杯だった。
月に一度の買出し日。黒の騎士団幹部たちは、日頃は入れない租界へと
足を踏み入れていた。表向きとしては、ブリタニア人であるカレンのお付きである。
個人ならば目立つ日本人としての風貌も、ブリタニア人の使用人としてならば、
租界にあったとしても違和感はない。その現実を歯痒く思いながらも、こんなとき
利用しない手はなかった。そんなわけで、珍しく幹部全員がその場に顔を揃えていた。
「あれ?あれって…C.C.じゃないか?」
最初に気がついたのは、杉山だった。
他のメンバーたちが釣られるようにそちらを見やれば、屈みこんで
どうやら帽子を拾っているらしい、緑色の髪を持った少女が遠目に見えた。
「本当…どうして、あんなところにいるのかしら?」
「ケッ!大方、男と待ち合わせでもしてんじゃねぇの?」
買出し袋を大量に抱えた玉城が面白そうにそう茶化す。
いくら存在自体が謎のC.C.といえど人間であるし、あのゼロにしても
私生活があるのだから、彼女が人と会っていても、別に何か問題がある
というわけでもない。だがしかし、扇の次の一言で、全員が思わず動きを止めた。
「もしかして……ゼロ、とか?」
C.C.の待ち合わせ相手=ゼロと結び付けてしまうのは些か早合点かもしれないが、
その可能性は十分高いとそれぞれ心の中だけで思う。何せ、彼女はゼロの私生活でさえも
知っているような発言を騎士団内でも繰り返しているし、私室の出入りを
許されていることからも、彼女がゼロと一定以上親しい間柄であることは察せられた。
「ってことは、今行けばゼロの素顔を見れるかもしれない…ってこと?」
「よっしゃ!じゃぁ早速確かめに行くとしようぜ!!」
「ちょっ!ちょっと玉城!それはマズイわよ!」
ゼロの素顔を知りたいと思うのは全員同じ。
カレンの制止はほとんど――彼女自身にさえ――意味のないことだった。
C.C.は幹部たちに見られているなど露知らず、無事に帽子を拾い上げると
元の通りしっかりと髪を覆い隠すように被り直す。安堵にホッと溜息をついた。
「お~いC.C.よぉ?お前こぉんなところで何してんだぁ?」
耳障りで不快な声に思わず振り向けば、そこには予想通り
C.C.の中では”下衆な男”に分類されている玉城が立っていた。
見れば、他の幹部たちも勢揃いしている。ここまで接近されるまで
彼らの気配に気付かなかったことに、C.C.は思わず舌打ちする。
「私が何処で何をしていようと、お前に関係ないだろう」
「おいおい。お前、俺らが幹部だってこと忘れてねぇか?
部下の動向を把握するのは、上司の務めってもんだろぉ?」
「私が何時からお前のような下衆の部下になった。ふざけるな」
「ち、ちょっと2人共落ち着いて…」
ついでに言うならば、こんな租界のど真ん中で仮にも黒の騎士団の団員でありながら、
自ら”幹部だ”などと名乗るなど言語道断。そんなことも分からないようなやつに
侮辱されたことに、C.C.は絶対零度の視線を玉城に向けた。
「な、何だよ!?やろうってのか!?」
「止めて下さい!!!」
玉城がC.C.に向かって拳を振り上げた瞬間、
その場にそぐわない少女の悲鳴が上がった。
車椅子に乗り、その両目は閉じられたままであるが、
必死にC.C.を殴ろうとする玉城の腕を掴んで止めようとしている。
「なんだぁ!?このブリキのガキが!すっこんでろ!!!」
「や、やめろ!ソイツに手を出すなっ!」
その少女が”ナナリーである”と気付いたカレンが止めるよりも、
C.C.が咄嗟に玉城からナナリーを引き離そうとするよりも、
玉城が鬱陶しそうにナナリーを殴り飛ばす方が早かった。
華奢な少女の体は簡単に車椅子から振り落とされ、
硬くて灼熱の熱さを持った地面へと叩きつけられた。
ガシャーンと凄まじい音が辺りに響き渡り、車椅子が倒れる。
その音に、漸く自分がしたことに気付いたのか、
玉城が僅かに青褪めた。他メンバーから冷たい視線が浴びせられる。
「な、何だよ!?俺が悪いんじゃねぇぞ!コイツが邪魔するからっ!」
玉城が慌てて弁解しようと、彼らの方へと視線を向けたとき、
ちょうど背後でグシャリと何かが潰れるような音が響く。
「な…なりー?」
ちょうど飲み物を買い終わり、戻ってきたところだったのだろう。
呆然と目の前に倒れる車椅子と妹を見比べながら、ルルーシュはポツリと
妹の名を呼ぶ。しかし、呻き声が僅かに上がるだけで、彼女から返事はなかった。
「最悪だ……私は何も知らないからな」
いつも不敵で不遜な態度を崩さなかったC.C.が真っ青な顔で背後に下がる。
まるで、目の前のルルーシュに怯えるかのように。玉城と幹部たちは
改めてルルーシュの方へ目を向けたが、彼はC.C.が怯えるほどのものを持っている
ようには見えなかった。サングラスの所為でその瞳から感情を量ることもできない。
「おい」
「な、何だよ!?俺が悪いんじゃねぇからな!こ、コイツが!」
「お前か、ナナリーを殴ったのは」
「お、俺の所為じゃなっ」
「お前か、と聞いている」
一言、一言、ルルーシュが言葉を発する度に、玉城へと凄まじい威圧感が放たれる。
一歩、一歩、玉城が後退する度に、ルルーシュは二歩、三歩と彼との距離を縮めていく。
その間に、C.C.はナナリーに駆け寄ると彼女をそっと抱き上げ、車椅子に乗せた。
「な、何だよ!ブリキ野郎が!お前らがいつもしてることだろうが!」
「そうか…やはりお前か、玉城」
玉城の言葉に、ルルーシュはニヤリと笑みを浮かべた。
はっきり言ってほとんど玉城の言葉など耳に入ってはいない。
ただ、ナナリーへの暴行を肯定したことだけが、彼の中での重要事項だった。
”さぁ、どういたぶってやろうか?”とでも言わんばかりの何か暗い、
得体の知れないモノを含んだ笑みに、他の幹部たちが一歩後退する。
よく分からないながらも、彼からドス黒いオーラのような物が漏れているような気がした。
「な、何で俺の名前を!」
「そんなことはどうでもいい。俺のナナリーに傷をつけたんだ。それ相応の報いを…
否、どれほどの報いだろうと甘い。俺が直々にお前へ死の引導を渡してやろう。光栄に思え」
そう言ってルルーシュは、今まで外していなかったサングラスをカシャリと外した。
そして、それをあくまで優雅な仕草で、胸ポケットへと仕舞う。
しかし、何故かその仕草はその場の者全員にとって、死へのカウントダウンに思えた。
ジャリとルルーシュの足元の小石が嫌な音を立てた、と感じた瞬間。
バキャッ
「ぐぇっ!!」
玉城の体は綺麗な放物線を描いて宙を舞っていた。
更に言うならば、その彼を吹き飛ばした足技は、見事なものだった。
スラリと伸びた長足を生かし、かつ教本に出てきそうなほど綺麗なフォームで
繰り出された蹴りの威力たるや恐るべし。軽く5mは吹っ飛んでいる。
しかし、彼の攻撃はまだまだ終わらなかった。
玉城が地面に叩きつけられると同時に、両足首を掴み、彼の足を大きく開脚させた。
「ま、まさか」
「悶え苦しみ、死ね」
美しくも壮絶な笑みを浮かべ、ルルーシュは死刑宣告を放つ。次に、
先ほど素晴らしい蹴りを繰り出したルルーシュの足が、玉城の股間へと押し付けられた。
そしてそのまま、情け容赦なく、全力で、そこに圧力を…かけた。
「うぎゃぁあああああああああ!!!!!!」
まさに、断末魔と表現するに相応しい叫び声が公園に響き渡る。
扇、杉山、南、吉田は思わず自らの股間を抑えて蹲る。
それほどに、衝撃的で、容赦のない暴力だった。
玉城の悲痛な叫び声を聞いてさえ、ルルーシュは笑みを浮かべたまま、
グリグリとそこを圧迫し続け、押し潰している。
「お、おいルルーシュ。それぐらいにしてやったらどうd」
「C.C.…お前も死ぬか」
「協力しよう」
白目を剥いて苦しむ玉城に、あまりに見かねたのか、
C.C.が制止の声を掛ける。しかし、ギロリと射殺さんばかりの視線を向けられて、
あっさりと彼女は寝返った。やはり、死ぬことがなくとも我が身は可愛いいらしい。
そのまま、どこから取り出したのか、医者が手術に使うようなゴム手袋を取り出すと、
右手に嵌め、徐に玉城の鼻の穴へと、その美しい人差し指と中指を突っ込んだ。
((((((ま、まさか、あれはっ!!!))))))
そのまま玉城の目のある方向へと、思いっきり体重をかけて引っ張る。
((((((鼻フッ●!!!))))))
最早叫び声さえ上げられず、玉城はただバンバンと苦しそうに
両手で地面を叩く、だがそんなことで彼ら2人の手は少しも緩まらなかった。
むしろ、その姿が楽しいのだと言うように、ルルーシュの口元は僅かにつり上がっている。
「ん……お、にい…さま?」
永遠に続くかと思われた地獄は、しかし小さく発せられた声に終わりを迎えた。
先ほど玉城に殴られ気を失っていたナナリーが、目を覚ましたのだ。
彼女の頬は僅かに赤く腫れていたものの他に傷はないようだった。
途端、今まで散々嬲っていた玉城を文字通り投げ捨てて、
ルルーシュは愛しい妹の下へと駆け寄った。
「ナナリー!無事か!?ああ、こんなに頬が腫れて、痛かっただろう?怖かっただろう?
すまない。守ってやれなくて…俺が傍についていたらこんなことには!」
「お兄様…ナナリーは大丈夫ですから。そんな悲しそうな顔をなさらないで下さい」
ああ、麗しき兄弟愛…しかしながら、その傍には屍となった玉城が転がっている。
なんとも言えないシュールさというか、恐ろしさがその場に漂っていた。
「お、俺…に、こん…な、こと…しやが…って!ゼ、ロが…黙って、ねぇ…ぞ!!」
ビシッとその場の空気が一瞬にして凍った。
玉城の言葉がいくら途切れ途切れの瀕死状態のものであろうと、
そこには決して聞き逃せない単語が含まれていた。
「ほぅ?」
ルルーシュが面白そうに玉城へと向き直る。相変わらずその手は
優しく妹の頭を撫でたままなのだから、そこは流石と言うべきか。
カレンは隠しナイフを取り出し、右手に構えた。
場合によっては、例えクラスメイトであっても始末しなければならない。
他の幹部たちも、各々悟られないよう戦闘態勢に入った。
「問題ない。俺が、ゼロだからな」
「「「「「「「は?」」」」」」」
固まってしまった幹部たちに言い聞かせるように、
もう一度はっきりとルルーシュは言った。
「俺が、ゼロだ」
幹部たちは、己に数分間、現実逃避することを許した。
だがゼロことルルーシュに、許すつもりはなかったらしい。
確かにゼロを彷彿とさせる動作で右手を左目を覆うように当て、
”ククク”とよくゼロが上げるような、怪しげな声をあげて笑い、そして言った。
「俺の大事な妹に傷をつけたんだしな…玉城、お前のそんな行動に敬意を表して、
望み通り、次の作戦では派手な役目を与えてやろう。立派に散ってこい」
”敵に爆弾を持って突っ込んで、な”とニヤリと笑う彼に
玉城は今度こそ泡を噴いてその場に昏倒し、他の者は恐怖に顔を真っ青にした。
FIN